契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
交友関係の広い瀬名のことだから恋人……はいないとしても、親しい関係の女性……くらいはいて、そういう人と家で鉢合わせしたりしないだろうかといった類の不安だった。
でもさっき家をひと通り案内してもらった限りでは女性を招き入れているような形跡はまったくなかった。
《あら、渚だってかわいいんだからありえるわ》
不満そうに声をあげる千秋の言葉を渚は「ないない」と言って遮った。
「瀬名先生には下心なんてないよ。お見合いの時に言ってたもん。おばちゃんへの恩返しだって。社会的地位が高い人がボランティアや寄付をするのは今や普通のことでしょ。きっと先生もそんな気持ちなんだよ。なんていうかな……ほら、あれ、えーと……あしながおじさん! あしながおじさんみたいなもんだよ! きっと」
大金持ちの貴族の男性が孤児院にいた主人公に援助をしてくれるというあの話に今の自分はぴったりだ、と渚は思う。
でもさっき家をひと通り案内してもらった限りでは女性を招き入れているような形跡はまったくなかった。
《あら、渚だってかわいいんだからありえるわ》
不満そうに声をあげる千秋の言葉を渚は「ないない」と言って遮った。
「瀬名先生には下心なんてないよ。お見合いの時に言ってたもん。おばちゃんへの恩返しだって。社会的地位が高い人がボランティアや寄付をするのは今や普通のことでしょ。きっと先生もそんな気持ちなんだよ。なんていうかな……ほら、あれ、えーと……あしながおじさん! あしながおじさんみたいなもんだよ! きっと」
大金持ちの貴族の男性が孤児院にいた主人公に援助をしてくれるというあの話に今の自分はぴったりだ、と渚は思う。