契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
でもその時、リビングの向こう側の大きな窓に映る背の高い人物に気が付いて、「あ」と声をあげて口を噤んだ。
あわてて振り返ると、玄関へと続くドアの前に瀬名が腕を組んで立っていた。
《どうしたの? 渚?》
急に話すのをやめた渚に千秋が不審そうに問いかけている。
渚はスマートフォンに向かって「な、なんでもない。シチューが焦げちゃうから、お姉ちゃんもう切るね」と告げて通話を切った。そしてシチューの火を止めて瀬名に向き直ると瀬名がゆっくりとキッチンへやってきた。
「先生……お帰りなさい」
瀬名がネクタイを緩めながら、
「ただいま」
と微笑んだ。
「は、早かったんですね……」
言いながら渚は思わず彼から目を逸らす。
いったい彼はいつからあそこにいたのだろう。
あわてて振り返ると、玄関へと続くドアの前に瀬名が腕を組んで立っていた。
《どうしたの? 渚?》
急に話すのをやめた渚に千秋が不審そうに問いかけている。
渚はスマートフォンに向かって「な、なんでもない。シチューが焦げちゃうから、お姉ちゃんもう切るね」と告げて通話を切った。そしてシチューの火を止めて瀬名に向き直ると瀬名がゆっくりとキッチンへやってきた。
「先生……お帰りなさい」
瀬名がネクタイを緩めながら、
「ただいま」
と微笑んだ。
「は、早かったんですね……」
言いながら渚は思わず彼から目を逸らす。
いったい彼はいつからあそこにいたのだろう。