契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
「きょ、興味があるとかないとかの問題ではないと思います。先生が今どんな仕事をされてるかなんて……そんなのわかるわけないじゃないですか」

 彼が毎週土曜日に事務所の個室でいったいどういう仕事をしてるかなど、たとえ本当の妻だったとしてもわかるわけがない。
 無茶言わないでほしいと渚は思った。
 でもその時、ずっとついたままになっていたテレビから軽快な音楽が流れて、夕方のニュース番組が始まった。
 和臣がテレビをチラリと見る。
 その和臣の視線につられるように画面に目をやってから、渚は「あ」と声を漏らした。
 ニュースではキャスターが始まりの挨拶をしてから、

『本日の番組内容は特集ですから、瀬名和臣先生はお休みです』

と告げている。
 それを見て、渚はようやく彼の言葉の意味に気が付いた。
 そうか、土曜日はニュース番組に出る日だったのか。そういえば渚が引っ越してきた日にそんなことを言っていたような。
 すっかり忘れてた……。
 上目遣いに和臣を見ると、呆れたように見下ろす彼の視線と目が合った。
 いくら形だけの夫婦だとはいえ、相手がテレビに出ている日も把握していないなんて"興味がない"と言われても仕方ない。
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