契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
 さらにいうと弁護士の業務をサポートする法律事務員の立場としても少々無責任なような気がして、渚は謝罪の言葉を口にする。

「す、すみません、先生」

 だがそれで、和臣は納得しなかった。

「和臣だ」

「……え?」

 首を傾げる渚に、和臣は言葉を続ける。

「家では名前で呼べと言っただろう? 君本当に家にいる時と事務所にいる時、全然違うな」

「な、なんですかそれ……!」

「仕事中の指示はきちんと守ってくれるじゃないか。大抵は一回言えば。この違いはいったいなんだ?」

 まるで挑発するような和臣の言葉に、渚は頬を膨らませる。
 そして負けじと言い返した。

「だってあんなの、冗談ですよね。そんな指示には従えません」
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