契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
「瀬名先生」

 瀬名が眉を上げて渚を見た。

「父は……私と先生のお見合いがダメになった後、音川先生と結婚しますって言ったら、納得すると思いますか?」

 なぜ父が瀬名を見合い相手に選んだのかいまいち不明だが、それは他の弁護士ではダメだという結論に繋がるのだろうか。
 渚の言葉に、瀬名が眉を寄せる。
 そして少し訝しむように目を細めて渚に問いかけた。

「君、どうしてそんなに音川さんにこだわるの? さっきは否定してたけど、やっぱり音川さんのこと……」

「ち、違います!」

 渚は慌てて声をあげた。

「音川先生は、以前よくうちに飲みに来られていたんです。だから姉とも友人でして……私も気心がしれてるんです。だから……。それに私にはこんなこと頼めるの音川先生しかいないんです……」
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