契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
 瀬名が眉を上げて首を横に振った。

「嘘じゃない」

「ででででも……」

 渚は動揺してうまく話もできない。でもそれは当然だと渚は思った。だってまさかこんな話を受け入れてくれる人がいるなんて! 
 唖然とする渚に瀬名が眉を寄せた。

「私では不満?」

「い、いえ! そんなことは…!」

 渚は慌てて首を振る。でもそれは半分嘘だった。
 いや不満というよりは不安というべきか。確かに有能な彼が味方になってくれるとしたらこの上なくありがたいことには違いない。
 でも瀬名はただの弁護士ではなく全国的に顔が知られている有名人なのだ。アイドル弁護士と言っていたのは誰だったか。そんな相手と結婚だなんて……。

「でも先生、先生はアナウンサーとお付き合いされているんでしょう? それなのに嘘でも他の人と結婚して大丈夫なんですか?」

 例え方便だとはいえ恋人にしてみれば面白くないに違いない。
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