その一瞬を駆け抜けろ!
みんなのところに戻ると、
一斉にみんなの視線がこちらに集まり
何事かとわたしは、一歩後ずさりしてしまった。
すると咲が
「薫、決勝一位通過だったらしいよ」と
こっそり教えてくれた。
みんなは、その話題で持ちきりで、
目をキラキラさせていたが、
わたしが現れると、
誰も何も言えなくなってしまったらしい。
わたしは『1位』という言葉に
初めて嬉しさが込み上げてきたが、
明日のレースもまだ残っているので
「そっかー。ありがと。でも明日もまだ
決勝があるし、気を抜かないように頑張るね」
と答えると
「そうだよね、明日、またあるもんね」
と咲も言ってくれた。
近くには沢田さんの姿もあり、
わたしは一言、二言、お礼の言葉を
かわしたが、
すぐに明日に向けてのミーティングのため
集合がかかった。