その一瞬を駆け抜けろ!

すると横に誰か横たわる気配を感じ
静かに目を開けると、

「どう?イメージできた?」

と、
わたしの方に顔を向けた沢田さんがいた。


わたしは、少し驚きながらも、
そのまま空を眺めなたまま

「スタートからゴールまでは、
イメージできました。でもゴールしたのあと、
自分がどうなってるのか、よくわからないです」

と答えると

「そうだね、それで正解だよ。
ゴールしたときの景色は、毎回違うからね」

と少し微笑みながら返事が来た。

「レース、楽しみにしてる。

いままでやってきたことは
自信につながると思うから…

健闘を祈る」

といい、沢田さんは、立ち上がると
スタンドの方へ向かっていった。


わたしは、少し緊張が解きほぐされたので、

沢田さんに届くか、届かないか、
わからないくらいの小さな声で
「ありがとうございます」とお礼を言い

上体を起こしながら、その背中を見送った。
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