本能で恋をする~again~
なんとか落ち着きを取り戻した、凛音。
ずっと俺にしがみつくように、くっついている。
「凛音…ごめん…もっと早く帰ってれば…」
「海斗は悪くないでしょ?私がパニクっちゃって、ドアを開けたからいけないんだよ!」
「いや、俺が………」
「海斗…?」
「どうして、言ってくれなかったの?つけられてたこと。一宮には相談したんだろ?」
「それは…」
「俺って頼りない?」
「そんなのあり得ない。海斗が頼りないなんて!」
「じゃあなんで?」
「確証なかったし、海斗に言ったら、パートに行くなって言うでしょ?もしパートさせてくれたとしても、海斗のことだから送り迎えするって聞かないと思ったの…」
「そうだけど…」
「今日も何度も電話かけようとしたんだよ!でもワガママ言っちゃダメってずっと言い聞かせてたの。前にも私が変なこと言ったせいで、海斗飛んできてくれたことあったから、きっと今回も仕事ほっぽって帰って来てくれる気がしたから」
「俺は凛音が一番―――」
「ダメだよ!海斗。こうゆうことでは、ダメ!
海斗が私を一番に考えてくれること、とっても嬉しい。きみちゃんには呆れられるけど、私は凄く嬉しい。でもね、仕事の時は別だよ!海斗はそれでお金もらってるんだよ!それにたくさんの社員かかえてる。だから、仕事の時は私を一番に考えなくていいんだよ!」
「凛音…わかった!」
凛音が、俺の頭を撫でる。
「それに一宮くんに相談は、たまたまなの」
「え?」
「たまたま帰りが一緒になった時に、私の様子が変だからって話聞いてくれたの。
でもね、怒られちゃった」
「怒られた?」
「そう。なんで、海斗に相談しないのか!って。俺が海斗なら、相談してくれなかったこと知ったら悲しいって!だから、早く言えって!」
「アイツが?」
「そうだよ!好きな女の悩んでることを他の、しかも男から聞くなんて、これ以上ないくらいの絶望だって!」
「確かに(笑)」
「だから……」

凛音が俺にキスをする。
「海斗…黙ってて、ごめんなさい…」
「もういいよ…でもこれからはちゃんと教えて!」
「わかった!海斗に一番に相談する!海斗、大好きだよ!」
「俺は、愛してる!」

< 32 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop