ただ、一緒にいたい
「あずちゃん、顔見せて…?」
「嫌!!!」

どうしたんだ?
「愛月…?」
耳を塞ぎ崩れ落ちた、愛月。
「愛月?どうしたの?何があったの?」
尚も耳を塞ぎ、頭をふるふると振る。

「生島…お前は知らないの…?」
「あ、はい!申し訳ありません!」
「とにかくあずちゃん、こんなとこにはずっといられないから………」
俺は愛月を抱き上げた。

「え?彰くん、下ろして!!」
「ダーメ!あずちゃんが正直に言わないからだよ?」

「彰様、どうぞ」
愛月を抱き上げたまま、車に乗り込んだ。
「彰くん、もう下ろして!横に座る」
「だったら、何があったか教えて!」
「それは……」
「だったら、下ろさない!」
俺の膝の上の愛月の頭や頬を撫でた。愛月の顔が赤くなる。

「あずちゃん、可愛い…!このままここで、抱きたい位に」
「それは嫌!!」
「え…?」
「今日は嫌なの…!」
「愛月…?」
わからない。心の底から………
何がこんなに愛月を苦しめているのだろう。
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