ただ、一緒にいたい
「彰様、着きました」
「あぁ、あずちゃん行くよ!」
「自分で歩くから…」
「だから!言ったよね?愛月が苦しんでいること言わないと、下ろさないって!」

また抱えて車を降りた。
家に着き、ソファーに愛月を下ろす。
向かいあって、愛月の両手を自身の両手で包み込んだ。

「で?何があったの?愛月」
「………」
「無理やり聞くことはしたくない。
でも約束したよね?
辛い時、苦しい時、泣きたい時まず俺に一番に頼って!絶対一人で悩まないで!我慢もしないで!
俺がすぐ駆けつけて、守りたい。守らせてほしい!って!」
愛月に目線を合わせて、語りかけた。

「………今日、ね」
「うん」
「ミナさんって方が店に来たの」
「え…?ミナが…!」
「彰くんと…別れてって…」
「は?」
「嫌って言ったの!そんなの絶対嫌だから…」
「俺も嫌!あずちゃんと別れるなんて…」
「そしたら……っつ、ミナ、さん、が…」
「あずちゃん…?」

「はぁはぁ…」
「あずちゃん?大丈夫…ゆっくり、ゆっくり…」
震えだした愛月を抱き締め、背中を撫でる。

「ミナさん、彰くんの初体験の相手なんでしょ?」
「は…?」
思考が止まった……。
なぜそれを愛月が…?
まさか――――――
「ミナに聞いたの?」
「うん…彰くんに色々教えたのは、ミナさんだって……」

頭が…心が…冷えた――――。
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