ただ、一緒にいたい
「そうだったんだね…それで、こんなに苦しんでたんだね……」
「ミナさんの顔が……あの勝ち誇ったような顔が頭に焼き付いて………」
愛月の目が潤み始める。

「あずちゃんはどうしたい?あずちゃんが俺にもう二度と触られたくないなら、もう触らない。離れるのは無理だけど。あずちゃんの言う通りにするよ」
「それは嫌…」
「うん」
「彰くんにギュッてされたい」
「うん」
「キスも」
「うん」
「抱かれたいよ」
「うん」
「私、自分でもびっくりしてるの」
「ん?」
「こんなに嫉妬で醜くなるなんて……」
「うん」
「私だって彰くんが初めてじゃないし、彰くんにそうゆう人がいるのも、受け入れられる」
「うん」
「ただ嫌だったのは、ミナさんのあの勝ち誇った顔なの。ミナさんに“あなたは私に勝てない”って言われてる気がして!
もちろん勝ち負けじゃないし、今は彰くんが私を愛してくれてるのは、十分感じてるからこのままで十分なんだけど」
「そっか。でもあずちゃんなんか勘違いしてるけど…」
「何?」
「ミナが初体験の相手なのは、本当。でも、元カノじゃないよ!」
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