ただ、一緒にいたい
ただ、一緒にいたい
そして、今家にいる。
あれから病院へ行った。
お腹の子の無事の確認と、私の怪我の手当てをしに。


「あずちゃん、引き戻してくれてありがとう!」
「ううん。当たり前だよ?彰くんの女だから。それにこれからもずーっと、私がちゃんと彰くんをこっちに引き戻してあげるよ!」
「あずちゃん…ありがとう…」
微笑みあう。


「あずちゃん、これから忙しくなるね!籍入れたり、結婚式もしないと!」
「そうだね!もっともっと幸せになろうね!三人で!」
彰くんが、私のお腹を擦りながら言う。
私はその大きな手に手を重ね、彰くんを見て言った。



バン―――――!

「あずちゃん、妊娠したんだって!!」
「え?猛さん!?」
「兄貴!!」
猛さんが家に入ってくる。

「マジで、この中に子どもが……」
猛さんは私のお腹に触ろうとする。
「おい!あずちゃんに触るな!お前汚ねぇんだよ!」
彰くんが、猛さんの手を弾く。
「いいじゃん!減るもんじゃねぇんだしよ!」
「あ?」
「ねぇー。光(ひかる)?」
「は?」
ハモる、私と彰くん。
「コイツの名前だよ!」
「え?でもまだ男か女かも分からないですよ」
「どっちにしても“光”だよ?この子は俺達の光だから!」
「ひか、り?」
「そうだよ!なぁ、彰。そうだろ?」
「………あぁ、そうだな…」

光かぁー!
「素敵ですね!」
「だろ?決まりだ!この子は“光”!」
「まぁしゃーねぇか!あずちゃんがいいなら!」
「うん!!」




「素敵な家族だな…!」
「あぁ」
「俺もこんな家族ほしー!!」
岸さん達の会話。

「え?岸さん達も家族ですよ!」
「え?」
ハモる、三人。
「彰くんも、光も、猛さんも、そして岸さん達も、みーんな家族です!!」
「だな(笑)!」

「はい!ありがとうございます!」
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