Favorite Love~本命は一番近くにいた~
それから、一日中…
水族館のあとは外の臨海公園でたこ焼き食べたり、アイス食べたりして、そのあと晩ご飯までご馳走になった。

「すみません。晩ご飯まで…」

「いや。いいんだ。俺も楽しかったし。」

「はい。」

「結菜ちゃん…」

わたしのマンション前で止まった車の中はシンとしていて…

吉沢さんがわたしを呼んでこちらを向いたそのとき…
わたしのバッグの中でけたたましくバイブ音が響いてきた。

うわっ…

音は切っててもこれだけ静かだとよく聞こえる。

しかもなかなか鳴りやまない。

「スマホ鳴ってるよ。」

「みたいですね…すみませんありがとうございました。」

わたしはそのまま車から降りた。
それでもスマホは震え続けている。

「じゃね。結菜ちゃん。また!」

吉沢さんはさわやかに笑って帰って行った。

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