HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「まぁ、座ってくれ。隼也」

「はい」

父さんに促され、俺もソファに腰を下ろした。
「高木部長。今度の理事長会の話ですが…」

「理事長会?あ…」
俺が現場重視で、医者としての仕事は率先してこなすが、事務的な仕事は苦手だった。

何れは次期院長の椅子にも座るワケだが。
本音は院長の椅子には座りたくなかった。

「高木院長もご高齢。そろそろ世代交代して、高木部長に理事長兼院長の椅子にはお座り頂きたいのですが…」
院長の椅子は仕方がないとして理事長の椅子にまで、俺が座るのか?

「理事長兼院長ですか…」

「何、院長の椅子を下りても…俺が副院長として残る。お前は今と同じように救命救急で、医者としてキャリアを積めばいい」

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