HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
翌日。
再び、救命救急の医局を訊ねた。今朝は医局の奥の部長室のデスクで事務作業をしていた。

「瑞希か…」

「その昨日…母と話をしました」

「俺も昨日父さんと話をした・・・」

「仕事で忙しい父には母が話しておいてくれます」

「そっか…分かった…自宅の訪問は一ノ瀬社長のスケジュール次第だな…分かったら、早急に教えてくれ」

「はい」

何だか二人で患者の申し送りしているよう。

淡々と話は進んで、終了する。

二人で一緒に医局を出ると隼也さんが「今日も一日頑張れよ」と私の頭をポンポンして、先に行ってしまった。
彼の大きな手でポンポンされた後頭部に触れ、一人で含み笑いを浮かべ、彼の期待通り頑張ろうと気合を入れた。


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