あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
ちょっと落ち着いてみよう。


息を吸って…


そして、ゆっくりと吐く。


「着いた、ここだ」


さっきまでの変な感情は、一旦、心の奥にしまい込んで、私は必死に笑顔を作った。


会員制のオシャレなジムに入ると、祐誠さんはマシンの使い方を丁寧に教えてくれた。


まるで私の専属トレーナーみたいに。


なんだか申し訳ないな。


いろいろな思いはあっても、それでもだんだんと祐誠さんと普通に会話ができるようになってきた。


もちろん、すぐ近くにいるせいでドキドキは止まらないけど…


でも、祐誠さんがリードしてくれるおかげですごく楽しい。


優しい時、強引な時、時々、微笑む時。


パンの話をした時、私の頭をポンポンしてくれた時。


一緒に桜を見た時。


ムキになってしまった時も…


全ての時に、私はあなたに何かを感じた。


それが何かって言われるとまだわからないけど、でも…


祐誠さんの行動と発言の全てに胸がキュンとなることは、隠しようもない事実だった。
< 81 / 394 >

この作品をシェア

pagetop