メガネをはずした、だけなのに

「だいじょうぶだよ、相葉くん」


「ならいいのだが……」


 自分では分からないけど、すごく疲れた顔をしてるのかも。

 隣に立ってる相葉くんを心配させてしまった。


 すでに賢斗くんが空港にいると思ったら、悲しい気持ちになってくる。

 私との約束は、忘れてるんじゃなくて重荷だったんじゃないかって考えてしまう。


 小学生の時に私がした告白は、賢斗くんから何の返事もないまま終わってしまいそう。

 高校生になってメガネをはずし、自分なりに頑張ってみた。

 でも、賢斗くんだって中学生だった三年間、ピアノ練習を積み重ねて努力してる。



 考え込んでも仕方ない、賢斗くんはすでに空港なのだから……



 時間になったので、生徒会長の進行で集会は始まった。

 ステージ上から、騒ぐのを止めて静かにするよう注意してる。

 生徒たちは口を閉じて、ステージに視線を向けた。


 生徒会長が校長先生の名前を呼ぶと、ステージ中央に姿を現す。

 軽く礼をすると、マイクに向かって話し始めた。

 校長先生の話が長いのは有名で、立ったまま寝てしまいそうになる。



 ――その時!



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