メガネをはずした、だけなのに

「悪かったな、何も言わなくて」


 賢斗くんが、申し訳なさそうに話す。


「別にいいよ、いつものことだし……」


 私は涙で瞳を潤ませたまま、精一杯の強がりを言ってしまう。


「俺のピアノ演奏だけど、弓子に伝わったかな……」


「うん、すごく胸に響いたよ」


 短い時間、お互いに少し口を閉じたまま黙り込んでしまう。

 抱き合ったままの状態で、賢斗くんが話かけてくる。


「ずっと弓子のことが好きだった」


 私は小さく頷いて見せた。


「……俺と、付き合ってくれ」


 賢斗くんの口から、その言葉を聞けると思ってなかった。

 小学生の時に私から告白したけど、片思いだった幼なじみから言ってもらえて凄く嬉しい。


「ありがとう賢斗くん……」



 クールな表情で笑顔もないけど、賢斗くんらしい告白は一生わすれないよ……



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