雲居の神子たち
エピローグ
「白蓮でございます」
震える声で言い、頭を下げた少女。

「本日よりお側にお仕えいたします」
一歩後に控えていた朝倉も両手をついた。

ここは深山の奥深く、一部の上級神官や巫女しか入ることが許されない所。
この世で1番神の存在に近い場所。

「その命、捧げる覚悟はできているんだね?」
淡々と告げる声に、
「はい」
少女はまっすに前を見た。

閉ざされ光の入らない部屋の中で少女自身が光を放つように青白く輝いている。
この命を奇跡と呼ばずして何が奇跡なのか。

神は我が思いを伝える手段として無垢なる命を望まれた。
少女は色彩を持たず生まれたが故に闇に染まることなく、神の声を聞く存在となることを自ら望んだ。
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