江藤くんはループしがち
☆☆☆
昼ごはんを食べ終えて窓辺に向かうと、グランドで男子たちがサッカーをしているのが見えた。
「ご飯の後にあんなに動き回るなんて、元気だなぁ」
里香がそう言いながら窓を開けようとするので、それを手で制した。
窓を開けると花粉が入ってくるから、教室内が大変なことになってしまう。
そのことに気がついた里香がペロッと舌を出して手を引っ込めた。
でも、窓から外を見ていると天気がよくてとても気持ちよさそうだ。
できれば外でのんびりしたいなぁなんて思ってしまう。
この季節にそういうことができないのはとても悔しかった。
「あ、江藤くんがいる」
そう言われてグランドへ視線を戻す。
確かにサッカーをしている中に江藤くんの姿が見えた。
そう言えば運動も得意なんだっけ。
真央ちゃんのお見舞いがあったから部活には入っていなかったみたいだけれど、本当はサッカーが好きなのかな。
そんな風にして見つめる。
江藤くんはボールを追いかけて必死に走っている。
その顔は笑顔であふれていた。
キュンッ。
一瞬胸が変な音を立てた気がしてあたしは首をかしげた。
今のなに?
自分の胸に手を当てて様子を伺う。
「どうしたの亜美?」
「んーん、なんでもない」
一度だけ変な音を立てた胸は静かになっていて、あたしは左右に首を振ってそう返事をしたのだった。
昼ごはんを食べ終えて窓辺に向かうと、グランドで男子たちがサッカーをしているのが見えた。
「ご飯の後にあんなに動き回るなんて、元気だなぁ」
里香がそう言いながら窓を開けようとするので、それを手で制した。
窓を開けると花粉が入ってくるから、教室内が大変なことになってしまう。
そのことに気がついた里香がペロッと舌を出して手を引っ込めた。
でも、窓から外を見ていると天気がよくてとても気持ちよさそうだ。
できれば外でのんびりしたいなぁなんて思ってしまう。
この季節にそういうことができないのはとても悔しかった。
「あ、江藤くんがいる」
そう言われてグランドへ視線を戻す。
確かにサッカーをしている中に江藤くんの姿が見えた。
そう言えば運動も得意なんだっけ。
真央ちゃんのお見舞いがあったから部活には入っていなかったみたいだけれど、本当はサッカーが好きなのかな。
そんな風にして見つめる。
江藤くんはボールを追いかけて必死に走っている。
その顔は笑顔であふれていた。
キュンッ。
一瞬胸が変な音を立てた気がしてあたしは首をかしげた。
今のなに?
自分の胸に手を当てて様子を伺う。
「どうしたの亜美?」
「んーん、なんでもない」
一度だけ変な音を立てた胸は静かになっていて、あたしは左右に首を振ってそう返事をしたのだった。