クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
「……」

 触れるだけのキスだったが、桃華にとってはファーストキス。突然の事に固まり反応できない。

「桃華?桃華?」

「えっ?は、はい」まだ呆けている。

「すまない。桃華が可愛すぎて我慢できなかった。嫌だったか?」

 聞かれて桃華は無意識に手で唇を触る。びっくりしたが、決して嫌ではなかった。それだけは樹に伝えたいと首を横に振った。

「よかった。嫌じゃないんだよな」

 今度は首を縦に振る。

「桃華」樹は嬉しくて抱きしめた。

「樹さん、やっと自分の気持ちを自覚できた気がします」

「ん?」

「私は樹さんが好きです」

「本当か?」

「はい」

「じゃあ、改めて結婚を前提にお付き合いして下さい」

「はい。よろしくお願いします」

「ありがとう」

 やっと、両想いになれた瞬間だった。だが、喜んではいられない。今日も沢山のお客様が来られるだろう。甘い雰囲気を何とか我慢して作業に取りかかる。

 そして、両想いになれたふたりに、この後怒涛の展開が待っていた……。

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