平成極上契約結婚【元号旦那様シリーズ平成編】
「くーちゃんはお菓子の方が喜ぶのよ。でも、大切にするはずよ」

「だといいけどな。あ、ところでパーティーはどうだった?」

「楽しかった。招待状ありがとうね。スカーフを買おうかなと思っているの」

「あのブランドは一生ものだからな。いい買い物だと思うよ。俺も早苗にプレゼントしようか」

とても仲がいいふたりがうらやましい。結婚をしたくわけではないのだ。ただ本当に好きな人と結ばれたいだけ。


「お兄ちゃん、円城寺さんが美人でブロンドのスタイル抜群の人といたの」

「そうだったのか。ここ一年ほど会えていないな」

私が円城寺さんを好きなことを兄には言っていない。

「一緒に出席していたということは恋人だろうな。さすが真吾だな。国際結婚しそうな予感がする」

勝手な兄の憶測に、私も嫌だけど同意するしかない。

本当にお似合いのカップルだった……。

ナンパ男に絡まれて円城寺さんが助けてくれたことは黙っておこう。

「ラベンダーの香りでリラックスして眠れよ」

「うん。ありがとう」

兄はベッドから腰を上げると、部屋を出て行った。
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