魔法少女妖怪退治
そう呟きながら、体をガタガタと震わせている。

早く逃がして上げたいが、繭は後6個も天井からぶら下がっていた。


ひとつひとつ天井から、繭を落としていく。


蜘蛛の妖怪__
人を食べる妖怪__


そんな化け物が、いつ帰ってくるか分からない事実にドクリドクリと胸が脈打つ。


2つ目。3つ目。と、繭を開けて行った。

今の所、全ての人間が無事だ。

繭を開けて中の人の無事を確認する度、安堵の溜息が漏れる。


しかし、皆が部屋の主が帰ってくる事に怯え、早く帰りたいと悲願してきた。

余程怖い思いをしたのだろうか、「早くここから出たい!!」と騒ぎ続ける。


「ごめん。もうちょっと待って!皆を助けたいから……」


4つ。5つ。


5つ目の繭の中の人も、ピクリと動き安堵の溜息を漏らした。

しかし、5つ目の繭はやたらと小さかったから子供だろうか。

繭から完全に5人目が出てきた瞬間、「無事だったんだね……」と、声を掛けそうになって我に帰る。


5つ目の繭の中身は、行方不明になっていたそうだ。

声を掛けたいのはやまやまだが、今の私の姿は魔法少女。

私が、神田あかりだなんてわからないだろう。



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