転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります
「リザ、これは何?」
「これで足し算の練習をするんですよ。まだ計算の得意ではない子用には、マス目を少なめで、数字も1から5まで。少しすすんで、6~9までの数字を少しだけ入れたもの。計算が比較的得意な人には、マス目を増やして、数字も1~9まんべんなく」
 と、上のマスと左のマスに適当に数字を入れる。
「で、この縦と横の交わったところに、それぞれの数字を足した数を入れるんだよ。こうすることで、とてもたくさんの計算練習ができる」
 ふんふんと話を聞いていた兄2と兄7が作った問題を1枚ずつ手に取る。
「今日は、誰が一番早くできるかとか競争するところまではできなかったんだけど、競争したりしてもたの……」
 うわっ。
 兄2と兄6がお互いを見て、それから100マス計算をすごいスピードで解き始めた。
 うん、兄2も兄6も計算早いんだよ。私レベルに。だから、この世界の計算早いも、それくらいは当たり前だと思ってたんだよね。
「できたっ!」
 兄2が紙を掲げる。
「ああ、負けたっ」
 兄6がガクッと肩を落とす。
「お兄様、同じ問題ではありませんので、その……勝負としてはフェアではないので……」
 しまった。言葉選び間違えた。
「では、フェアに、同じ問題で勝負しよう」
 兄2の目がギラリと光る。
「お、お兄様、クラスメイトのために問題と模範解答をたくさん作りたいので、手伝っていただけるんですわよね?」
 兄2がはっと表情を戻す。
「そうだったね。リザ。ごめんごめん」
 その後、兄2と兄6は100マス計算をガンガン解いてくれた。
「次に勝負するときに負けるわけにはいかない……これはいい訓練だ……ぶつぶつ」
「なんだかもっと私は計算を早くできそうだ……ぶつぶつ」
 鬼気迫るとは、このことなのだと……ひぃーっ。
 怖い。そ、そうだ。
「えーっと、お兄様、じゃぁ、2桁や3桁の問題の模範解答作りもお願いしても?」
 と、問題を作って兄に渡す。
「繰り上がりがないものは、こう書いて、繰り上がりのあるものはこう書いていただけると……」
 と、ひっ算の式の書き方も説明する。
■70
「リザ、これ……」
「これは、すごい……いったい、誰に教えてもらったんだい?」
 兄2も兄6も、ひっ算の式をかいた紙を茫然と眺めている。
「この書き方で計算すれば、3つ4つの数は簡単に足せるんじゃないか?」
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