転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります
 フレッドの顔が青ざめる。
■58
「お、おう、そう言えば、そうかもしれないな。リザークの言う通りだよなぁ……」
「そうだ。謝りたいお詫びしたいというのは、確かに僕の気持ちだ。僕の自己満足を満たすために……彼女が傷つくなんて考えもしなかった」
 ほっ。
 まぁ、実際は、毎日顔を合わせてますけどね。全然気にしてませんけどね。
「な?だから、忘れろ。忘れてやれ。それが、一番いい。うん」
 さて。問題解決、解決。
「だ、めだ……僕は……やっぱり、忘れられない……」
 だーっ。
「じゃぁ、思い出すな!」
「おい、リザーク、そう無理を言ってやるな。フレッドは、あれだろ、思い出そうとしなくても、彼女のことがつい浮かんでしまうってやつだろう」
 なんだよそれ。ラッキースケベを繰り返し思い出すとか……ああ、まぁ、思春期か。
「悪かったよ。フレッドが覚えていようと忘れられなかろうと、それは仕方がない。でも、彼女のこと探したり、彼女の前に姿を現したり声をかけたりはしないほうがいいと思う。思い出したくないだろうし、嫌な気持ちになるだろうし……」
 そうですよ。
 探すな。近づくな。関わるな。
 ……悪役令嬢の死亡フラグをなめんなよっ!
「……真剣に、その……将来にわたって責任を取るというのも、迷惑だろうか?」
「迷惑にきまってんだろっ!」
 責任ってなんだっての!
 責任をとって結婚しようとかだと、悪役令嬢が第二王子の婚約者で、ヒロイン登場ってルートそのまんまじゃねぇかよっ!
「いやいや、案外その子もフレッドのこと好きかもしれないじゃん」
 と、マージがフレッドをたきつけるようなことを言う。
「はぁ?でもさ、責任取って仕方なくみたいな言われ方されたら嬉しいと思う?」
「お、おう、確かに、それは、うん、なんか嫌かな……」
「し、仕方なくじゃないっ。僕が、そうしたいと思うから……!」
 フレッドがいきり立つ。
 まぁ、女性に対して真摯な態度で向き合おう、いい加減に扱わないようにしようって気持ちは評価するけど……。
 でも、仕方なくってお前も思い始めるんだよ。きっとな。ヒロイン登場で、ヒロインに心惹かれていくにつれて。なぜ、足枷になる婚約者がいるんだと思い始め。
 そうだ、胸を触ったから責任を取って婚約したんだとか、記憶の改ざんが、ヒロイン補正で行われるに決まってる。
 怖い怖い。
< 84 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop