藍先輩の危険な溺愛レッスン。

教卓の中に隠れていた私はそうっと抜け出してドアの前まで移動した。


こっそりと廊下を覗くと2人の仲睦まじい後ろ姿が目に飛び込んでくる。


雪乃さんは先輩の腕に自然に手を添えている。


彼女の嬉しそうな横顔を見たら複雑な気分になった。


なんだろう、あれ。


幼なじみだからってあんな距離感おかしくないかな。

それとも誰かに見せつけようとしてる?


もしかして私がここにいることを分かっているとか。


ううん、私じゃなくても誰か女の子と一緒にいたのかなって疑っているみたいだった。


そう思うと、彼女が邪魔をしに来たのかもしれないなって気がした。


やっぱり彼女は先輩のことが好きなんだろうな。


なぜだか無意識にため息が出て嫌な気分でいっぱいになった。


ふと唇を指先でなぞると、まだ甘やかな感触が残っている。


キスの余韻だけが残されて少しせつなくなる。


雪乃さんが来なかったら私達どうなっていたのかな。


あのまま流されてしまってたらって思うと、怖い気もするけど。


だけどやっぱり。


もう少し彼と一緒にいたかったな。
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