藍先輩の危険な溺愛レッスン。
レッスン6

勘違いじゃない




「今日は権田君いなかったね、どうしたんだろう」


翌朝、生徒玄関の靴箱の前で先輩は首をかしげる。


「う、うん。諦めてくれたんじゃないですかね?」


「それはどうかな……」


彼は眉をひそめて小さく息を吐く。


毎朝のように正門あたりで待っていた権田さんに今日は珍しく会わなかった。


今朝も先輩は一緒に登校してくれた。


昨日のことについては彼は一切触れなかったんだけど、私は朝から胸がきゅんきゅん鳴りっぱなし。


今朝の先輩も眩しいくらいカッコいい。


当然恥ずかしくてあんまり目が合わせられなかったけど、彼はいつも通り気さくに話しかけてくれた。


先輩は私と違ってとくにいつもと変わった様子はない。


「そうだな、ちょっと心配だから何か変なことがあったらすぐに連絡して」


「う、うん」


彼は心配だって言うけど私の方は結構楽観的に考えていた。
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