藍先輩の危険な溺愛レッスン。
おかしそうに笑われた。


彼の手が愛おしそうに耳から頬にあてられる。


「もう学校なんて行かないで俺の部屋で1日中ずっと一緒にいたいな」


「そ、そんなの駄目ですよ」


「いいじゃん、空想してるだけだよ。
愛菜ちゃんをどこかに閉じ込めて誰の目にも触れさせないでいられたらいいのになって」


いたずらっぽく光る瞳。


そこに映る私はきっと真っ赤になって恥ずかしがっている。


「ずっと俺のことだけを考えていたらいいのに」


綺麗な瞳にじっと見つめられて息をのんだ。


「あ……」


先輩はさらりとそんな歯の浮くようなことを言うので、なんて返事をしたらいいのかわからない。


「まあ、実際にはそんな閉じ込めたりしないんだけどね。俺そういう趣味はないから。いたってノーマルだから怖がらなくていいよ」


彼はおどけたように片目を閉じるから、私の胸の鼓動が走り出しそうだ。
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