藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「だって有名だから。うちの先輩とも仲良くされてるし」


3年の藍先輩に2年の権田さんは敬語をつかって丁寧に話しかけている。


まさに体育会系の上下関係のノリだ。


こうして藍先輩と普通に話している様子を見たら、権田さんが不良って言うのはただの噂なのかもしれないなって思った。


不良かもって決めつけて勝手に怖がったりして悪かったかな。


「そうか、君部活は?」


「サッカー部っす」


「石井かな?キャプテンの」


「はい、そうっす。先輩は生徒会長ですよね?」


「去年まではね、もう今年は3年だからやめた」


藍先輩と権田さんの会話は淡々と進んでいく。


おいてきぼりになったような形の私は、実はひそかに藍先輩の個人情報にビックリしていた。
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