藍先輩の危険な溺愛レッスン。
どうしたって無理なんですとは、さすがに言いづらい。


それ以前に声がまだ出そうにない。


毎日しつこくて、何を言っても諦めてくれそうにないから完全に怯え切っていた。


「愛菜ちゃん、俺、俺」


彼は切羽詰まったように近寄ってきて私の腕を掴もうとした。


怖いって思った次の瞬間。


後ろから誰かに包み込まれて一歩後ろへ引っ張っられた。


「おいおい、彼女怖がってんじゃん。
無理やりはよくないぞ」


「えっ、あれ、あなたは……」


権田さんは藍先輩を見てハッとする。


「たしか3年の藍先輩ですよね?」


良かった、藍先輩が気がついて助けに来てくれた。


ホッとして彼の制服をギュッと掴んた。


もうっ、先輩ったら遅いよー。


「あれ、なんで俺のこと知ってるの?」
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