運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
「綾乃?」
「ん?」
「大丈夫か?」
「うん・・・こればっかりは仕方ないことだし。」
言葉は端的であっさりとしていても、その顔に表情がない。

徐々に笑顔が戻っていた綾乃から、表情が一気に消えた。

「先生の話、聞かないとね。ちゃんと、この先どうするか。」
綾乃の様子が変なことを感じながらも無理はないと、悟は返事を返し、もう一度診察室に戻った。

医師はすでに今後の流れが書かれた用紙と堕胎手術の同意書も用意していた。

すぐに手術はできないため予約を入れるようになるらしい。
でも、いつまでも亡くなった胎児をお腹にいれておくことができないと、医師は説明をした。
もしかしたら数日以内に子宮から外に排出されるかもしれないという説明も聞き、二人は2日後に堕胎手術の予約を入れた。
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