運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
自分で自分にそう言い聞かせながら駅に向かい歩き出す。

まだ朝早い駅にはほとんど人はいない。



綾乃はいつものようにホームに立ち電車が来るのを待った。

待っている間にも、悟の顔を思い出してしまう。


忘れようと深呼吸をしていると、「綾乃?」と後ろから声が聞こえた。

その声に一瞬にして、時間が過去に引き戻される。



声の方を振り返ったらいけない。
振り返りたくないと体をこわばらせる。
全身がその声を拒否していた。
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