愛しても、いいですか
エレベーターを降りてエントランスに行くと、こんな早朝にも既にコンシェルジュがいて、「行ってらっしゃいませ」とお辞儀をしてくれる。
私も、今までありがとうございました、の気持ちを込めて、深く一礼してエントランスを出る。
そして、由紀にこれから行ってもいいか、とLINEをすると、もう沙耶香の最寄駅で待ってるよ、とすぐに返信がきた。

急いで駅に向かうと、この前待ち合わせした場所に由紀がいて、

「この前みたいに、また急に沙耶香がいなくなったら困るから、迎えに来たよ」

そう言って優しく微笑む。
そんな親友の顔を見たら、張り詰めていた糸がぷっつりと切れて、涙腺も崩壊した。

「…うっうっ…」

「…もう、沙耶香はいつからそんなに泣き虫になったのー」

突然大号泣の私を、私より小柄な由紀がぎゅっと抱き締めてくれ背中をよしよしと一生懸命さすってくれる。
その優しさに、温もりに、涙が止まらない。
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