いじめっ子の話

「ただいま」

わりと住宅街にある多分私の家。

だけど、やっぱりどこか自分の家ではないと心が言っているようだった。

玄関で靴を脱ぎ、リビングを通って自分の部屋に行く。

通り過ぎたリビングでは楽しそうに会話する声が聞こえる。

今日は叔母さんも叔父さんも帰ってくるの早いなと思った。

多分叔母さんの子供の一葉と叔父さんの子供の陽介もいる。

私があの輪の中に入ることはない。
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