いじめっ子の話
「なんでお前だけ苗字違うんだ?」
何気ない一言だった。
連れ子の男の子が聞いてきた。
私はなんて言ったらいいか分からずにじっとその子を見つめたまま口を開かないでいた。
すると、
「この子は可哀想な子なの!だからしょうがなく一緒に暮らしてあげてるの!」
叔母さんの子供は連れ子にそう告げた。
ほんとにその子にとったら何気ない一言だったのかもしれないけど、私にしたらかなり傷ついた一言だった。
育児放棄をされた挙句、お母さんは姿を消した。
私は可哀想な子と思われていたショックで後ろについて歩くのをやめた。