罰恋リフレイン
目を見開いた。ずっと元カノを忘れられないと言っていた冬木さんが諦めると言ったことに驚かずにはいられない。
「そうですか……諦めたんですね……」
「俺と日野って相性いいと思わない?」
こんなこと少し前の私なら喜んだ。だけど今は頭が追いつかない。
「俺のこと好きだった?」
「そう……ですね……」
「本心で言ってる? 俺と日野、合うと思うの? 元カレのことで頭いっぱいのくせに」
「…………」
「自惚れじゃなくて、マジで日野に好かれてるって丸分かりだったよ。だけど最近はそうじゃないよね。自分で気づいてるんだろ? 元カレのことばっかり考えてるって」
顔が熱くなって冬木さんの顔が見れない。好きだって知られていた。告白もしないで好きだと知られているなんて恥ずかしすぎる。
「俺さ、長いこと元カノを忘れられないの辛かったから、彼氏くんのこと応援してたんだ。彼はずっと日野が好きだったんだよね。自分に重ねて応援してた」
隣に座る冬木さんは背もたれに寄り掛かると体を伸ばした。
「女の人からすると長い間元カレに未練もたれてるって迷惑かな? 気持ち悪い?」
冬木さんは顔だけを私に向けて真顔で聞いてくる。私も真剣にその質問に答える。
「別れ方にもよりますけど……私は良い気分も悪い気分も半々です」
「そっか」
私の答えに冬木さんは目を細めた。
「元カノを諦めたって嘘。彼氏くんを見習って俺もまだ諦めないよ。だから、日野は今すぐ退社して行きな」
冬木さんは私のデスクの上のマウスに手をかけると、強引にパソコンをシャットダウンする。
「ちょっと! まだ保存が!」
「行きたくなさそうな顔してるから俺が強制的に終わらせてるの。早く行きな」