罰恋リフレイン
「ほんと、面倒だったよ。いつも何をやらかすか分かんないし、何をしたら喜んでくれるかも分からない。そのくせ好きなもののことになると別人みたいに明るくなるし。それがなんか、可愛いなって思った」
顔が赤くなった気がした。暗さで誤魔化せていればいいのだけれど。
「作ってくれたお菓子を食べると喜んでくれた笑顔が好きだ」
「も、もういいから……」
「自分が聞いてきたんだろ」
「そうなんだけど……」
照れてしまって蒼くんの顔をまともに見られない。
視線を逸らすと「こっち向いて」と言う蒼くんの優しい言葉に戸惑いながら再び目を合わせる。
「いつも俺のこと考えてくれて嬉しかった。どんどん可愛くなっていって他の男に見せるのが嫌だった」
膝に置いたタオルをぎゅっと握りしめる。蒼くんの言葉は力強いのに表情は柔らかくて、恥ずかしいながらも安心する。
「だから嫌われるのが怖かった。怒らせたくなかった。悲しませたくなかった。薫のことが心から好きになったから」
膝の上の手を蒼くんの片手が包む。
「こうやって薫に触れたいって思うことは何度もあったんだけど、子供だった俺は恥ずかしさと、薫に嘘をついてる後ろめたさで積極的になれなかった。不器用でごめん」
「彼氏彼女として何も進展しなくても、蒼くんに大事にされてるんだって思ってたよ」
「大事にしすぎたね」
蒼くんは後悔を含んだように切なく笑う。
「そういうこと、ちゃんと言葉にしなくてごめんね」
「私も……蒼くんにたくさん気を遣わせてた」
「俺のことを気遣ってくれたのは薫だ。俺と付き合ってくれて、最初は困ったけど嬉しかった」