エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
 

『いやぁ……実はね。留守番電話にも入れたとおり、今日の昼間に透が体調不良でダウンして……。それで、今日は自宅療養することになったんだ』

「自宅療養……?」

『うん。俺は病院のベッドで点滴でもしていったらって勧めたんだけどさ。透は、ただでさえ自分のせいで周りに迷惑をかけてるから、これ以上、世話にはなれないって言って帰っちゃって……』


 それは、いかにも近衛先生らしい選択だ。でも、周囲の人間は不安を覚える対応だろう。

 体調不良……ってことは、風邪か何か?

 坂下先生が強く引き止めなかったということは、そこまで酷い状態ではないのかもしれない。


『百合ちゃんには、透が帰り支度をしてる隙に、あいつの携帯電話からコッソリ連絡したんだ。ほら、あいつのことだし、きっと誰にも頼らないと思って』

「そうだったんですね……」

『そんなわけでさ、百合ちゃん、透の様子を見に行ってくれない?』

「え……。わ、私がですか?」

『うん。あいつ、帰り際にかなりフラついてたからさ。もしかしたら、部屋でぶっ倒れてるかもしれないし』

「そ、そんな……」


 坂下先生の爆弾発言で、ほんの少し落ち着いたはずの胸に、また大きな不安がよぎった。

 近衛先生が部屋で倒れているかもしれないなんて。

 仮にもし、そんなことになっていたとしても、私にできることはないよ。

 というか……こういうときは私よりも、婚約者の梨沙子さんが行くべきなんじゃ?

 もしかして坂下先生は、近衛先生が梨沙子さんと婚約中だってことを知らないのかな?

 
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