エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「たしか、部屋はこっちに──って、キャア⁉」
「……百合?」
「こ、こ、近衛先生⁉ 無事だったんですか⁉」
「どういうことだ? なんで百合がここにいる?」
リビングのドアを開けようとした瞬間に反対側からドアが開いて、思わず私は後ろに引っ繰り返りそうになった。
現れたのは、お風呂あがりの近衛先生だ。
上半身は白いシャツを羽織っているけれどボタンは止められていなくて、私は目のやり場に困ってしまった。
「す、す、す、すみません! 実は私、坂下先生から近衛先生が倒れたって聞いて、いても立ってもいられなくなって……っ」
「坂下が?」
「はいっ。近衛先生が帰り支度をしている隙に、近衛先生の携帯電話を使って私に連絡をくれて……」
私がそこまで言うと、近衛先生は足早にリビングに戻り、キッチンカウンターに置いてあった自分の携帯電話を確認した。
そして、私への着信履歴を見て「ハァ……ッ」と悩ましげな息を吐いた。
一連の動作を見ていた私は、想像していたよりもずっと元気そうな近衛先生に、内心で安堵した。