エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
 

「あいつ……勝手なことを」

「さ、坂下先生、近衛先生が倒れたこと、すごく心配していましたよ?」


 私がそう言うと、なぜか近衛先生は恨めしげに私を見た。


「……俺とは連絡を取らないくせに、坂下とはそれなりに仲良く話したんだ」

「え……?」

「いや……いい。とりあえず、百合は坂下に(たばか)られたんだよ」

「謀られた?」

「そう。見ての通り、俺はなんともない。昨日は当直で、俺は別にいつも通りに仕事を終えて、ここに帰ってきただけだし」


 思いもよらない近衛先生の話に、私は状況が飲み込めずに唖然とした。

 謀られた……って。つまり私は、坂下先生に騙されたってこと?


「じゃ、じゃあ、近衛先生は元気だってことですか?」

「まぁ、そういうことになるな」

「た、倒れたっていうのも嘘ですか?」

「見ての通り、特に具合が悪いところはない」


 たしかに見る限り、以前と変わらず、一切無駄のない引き締まった身体に、きれいな腹筋だ。不健康そうなところはないし、お風呂あがりだからか肌の血色も良い。

 
< 129 / 142 >

この作品をシェア

pagetop