エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
 

「それに、きちんとお支払いはしてもらえるだろうと思ってましたし」

「そう言ってもらえると助かるよ。近衛のやつ、昨日は本当は非番だったんだけど、昼に緊急手術が入ってさ。それで、患者の術後の予後が見たいからって、当直でもないのに医局に泊まったみたいで」

「はぁ……そうだったんですね」


 だから、お疲れのご様子だったんだ。

 非番だったのに自分が執刀した患者さんのために泊まりこむだなんて、すごく患者さん思いの先生だ。


「ああ、そうそう。あと、このメモも渡すように、近衛から頼まれてたんだった」

「メモですか?」

「うん。それじゃあ、また出前を頼んだときはよろしくね。僕、野原食堂さんの回鍋肉、大好きなんだよ」


 そうして私は空になった器と代金の入った封筒、ふたつ折りにされたメモ用紙を受け取って医局を出た。

 器と封筒は用意してきた配達用バッグの中に入れて背中に背負った。

 渡されたメモは、エレベーターを待つ間に開いてみる。

 
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