エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「あーーー‼ もう! 田所さんったら! こんなところまで来て‼」
それから、ほどなくしてやってきたのは、ベテラン風の看護師さんと若い看護師さんのふたりだった。
田所さんと呼ばれたおじいさんは、看護師さんたちを見るなり立ち上がると、案の定、その場から逃げ出そうとした。
「おっと。田所さん、病院に戻らないとダメですよ」
細い足で走り出そうとした田所さんの前に、背の高い近衛先生が立ち塞がる。
改めて見ると脚は長いし肩幅も広くて、スタイルも抜群だ。
「う、うう……。チクショウ」
田所さんは行く手を阻まれ、さすがに観念した様子で顔を伏せた。
そして、また力なく植込みの段差に座り込む。
その姿を見たら、少し心が痛かった。
「近衛先生、お仕事終わりのところ、お手数をおかけして申し訳ありませんでした!」
「いえ、僕は偶然通りかかっただけです。こちらの方が見つけて、知らせてくれたんですよ」
近衛先生に紹介されて、私は慌てて看護師さんに頭を下げた。
「い、いえ。私がもたもたしていたせいで、ご連絡するのが遅くなってしまって申し訳ありませんでした」
「いえいえ、そんな。田所さんが突然病室からいなくなって、もうみんな大慌てで探していたところだったんです」
「守衛さんがお腹を壊してトイレにこもっている隙に、通用口から外へ出たみたいで……。ご協力、本当にありがとうございました!」
看護師さんたちは、そう言うと深々と頭を下げてくれた。