エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「近衛先生のお父さんも、お元気ですか?」
「ええ、父も元気にやっています」
「やっぱり近衛先生も、将来的にはたっちゃんと同じように、お父さんが院長を務める近衛医院を継ぐ予定なんです?」
「おいおい、内田さん。近衛先生が実家の病院を継ぐってのと、うちの野原食堂を俺が継ぐってのを同レベルで話したら、近衛先生に失礼すぎるっしょ!」
内田さんに、タツ兄ちゃんが自虐しながらツッコんだ。
……そうなんだ。近衛先生は、ご実家も病院を経営されているんだ。
今の話だと、近衛先生のお父さんがご実家の病院の院長を務めているということだったし、近衛先生自身もいつかは、ご実家の病院を継ぐ予定でいるのかもしれない。
知れば知るほど、私と近衛先生の距離を痛感してしまう。
近衛先生は、雲の上の人。私とは、まるで住む世界の違う人だ。
「たしかに父の病院は、いつかは継ぐことができたらと思っています。でも、達哉さんは僕と同じ年で既に野原食堂の戦力になっているんですから、僕よりもご立派だと思いますが」
「またまたぁ。近衛先生にそんな風に言われたら、俺は調子に乗っちゃいますよ?」
「ハハ、いえ、でも事実ですから。そう言う僕も、今は中央総合病院でひとりでも多くの患者さんのためにできることをしていきたいと思っています」
またポケットの中に手を入れた私は、二つ折りにされたメモをギュッと強く握りしめた。