エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「……もしかして、透を探してる?」
「えっ⁉」
「やっぱり図星だ。百合ちゃん、なんかガッカリした顔してるし」
嘘でしょ……!?
戻ってきた坂下先生に指摘をされて、私は思わず自分の頬に手をあてた。
「透、ちょうど今、別の階でカンファレンス中でさ。それで、ここにはいないんだけど、百合ちゃんが来たことは伝えておこうか?」
「い、いえっ! 大丈夫です! 近衛先生も坂下先生もお忙しいでしょうし、私のことはどうかお気になさらないでください!」
それだけを言うのが精いっぱいだった。
私は坂下先生から受け取った器を配達用のバッグに入れると頭を下げ、足早に外科医局のあるフロアをあとにした。
最悪だ。坂下先生に気を使われてしまうくらい、私は自分の気持ちが顔に出ていたってことなんだろう。
からかわれたんだと、割り切ったつもりだった。
だけど本当はここに来てからずっと、もしかしたら近衛先生に会えるかもしれない──なんて、心の隅で期待している自分がいた。