エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「わ、悪い冗談はやめて」
「ハハッ、そりゃ今のは冗談ですけどー。悪いとか、言い方ひっどいなぁ。俺、普通に傷つくよ?」
「あなたが傷つく? そんなはずないでしょ?」
「まぁ、ねぇ。あ、野原先輩。先輩がまだ次の仕事が決まってないなら、俺が紹介してあげよっか?」
「はい……?」
「そーんなダサダサの格好で出前のアルバイトするよりも、元後輩のよしみで、もう少しマシな仕事を紹介してあげてもいいってことっすよ。ほら、なんてったって俺、将来は社長だし?」
一歩詰め寄られ、私は慌てて後ろに足を引いた。
だけどすぐに背中に冷たい壁がぶつかって、私は逃げ道を失くしてしまった。
「あ、あなたに頼るなんて死んでも嫌!」
それでも私は恐怖と怒りに震える心を、必死に奮い立たせて反論した。
「はぁ? 何言ってんの? 俺を誰だかわかって生意気な口きいてんのかよ」
「……わかってる。でも、私はもう館林物産の社員じゃないし、あなたに怯える理由はないから」
ハッキリと言い返した。言い返してやった。
そこまで言うと私は、足早に遠野くんの横を通り抜けてその場を立ち去ろうとした。
「痛……っ」
だけど、既のところで二の腕を掴まれ足が止まる。
弾かれたように振り向くと、苛立ちを表情に浮かべて私を睨む遠野くんと目があった。