エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
 

「百合、風呂あいたぞ」


 結局そのままお母さんとお父さんといつも通り夕食を食べ、私は家のお風呂に入った。

 メイクを落としたら髪と身体を洗って、湯船の中にザブンと顔をつけた。

 そんなことをしていたら、なんだか無性に泣きたくなった。

 ……近衛先生に、好きだと告白してもらった。

 今日、直接会えたら、その告白の返事をきちんとしようと思っていたんだ。

『近衛先生さえ良ければ、これからもよろしくお願いします』

 だけど現実は、そう甘くない。

 近衛先生は今、どこで何をしているんだろう。

 彼女という立場だったら、今の私の状況は何か変わってた?

 こんなことになるなら、直接返事を……なんて思っていないで、メッセージでもいいから自分の気持ちを伝えておけばよかった。

 ううん、車の中で告白されたときに、すぐに返事をすればよかったんだ。


「ハァ……のぼせちゃった」


 熱いお湯に浸かりながら、あれこれ考えていたら時間だけが過ぎていた。

 そうして脱衣所に出てパジャマに着替え、髪を乾かし終えたところで──、


「え……」


 洗面台に置いてあった携帯電話が、予告なく震えた。

 慌ててドライヤーを置いた私は画面を見た。

 
< 92 / 142 >

この作品をシェア

pagetop