クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
 ロイヤルライフ星が丘に出勤して、いつものようにアクティビティルームのテーブルを消毒して回っていたら、血色のいい肌をした湯川さんが一番乗りで現れた。

 介助についていたスタッフがテーブルに新聞紙を置き、私に目配せをしてすぐに立ち去る。

「おはようございます。入浴されたんですか?」

「目が早く覚めてね。時間に余裕があったから」

「そうでしたか。日が昇るのが早いのも影響していますかね」

「ああ、そうかもしれないね」

 湯川さんがバサッと新聞紙を両手に持って広げる。

 お盆休みを迎えている今週は、ご家族の元に一時帰宅している方々が多い。湯川さんは一日だけ外出していたが、それ以外はここで穏やかに過ごしている。

 私は明日からの二日間連休をもらっている。といっても実家にはしょっちゅう顔を出しているし、お盆と言っても親戚の集まりはない。

 そんな中で久しぶりに土日にお休みをもらっているので、どう過ごそうかと考えあぐねている。

 しばらく静かに新聞紙に目を落としていた湯川さんだったが、不意に顔を起こした。

「そういえば、最近あのイケメンの兄ちゃん来なくなったな」

 心臓がビクッと跳ねる。
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