クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「恋人がいる小春に迷惑がかからないように、どうやって距離を縮めるか毎日悩んでいた」

 困ったように目を細めて笑う遥人さんの発言に息を呑む。

「小春と過ごす時間が楽しくて仕方なかった。車で送っている時に、今日は誰とどんな話をしたか聞かせてくれただろう。入居者のひとりひとりと真摯に向き合って、気持ちに寄り添い、どうしたらいいのか考える。そんなひたむきな姿に目が覚めるようだったよ」

 どういう意味だろうと、瞬きをしながら遥人さんを眺める。

「俺の仕事も夢を与えるものなんだ。でも利益を出すために流行りを追いかけたり、コストを抑えたりすることばかり考えて、大切なものを見失いかけていた。思い出させてくれてありがとう」

 私はとんでもないと首を振る。

「小春は、自分より相手のことばかり気にするよね。優しいから子供にも年配の方にも好かれる。……俺も君を好きになった」

 温かさを感じさせる柔らかな瞳で見つめられ、心臓がぎゅうっとしめつけられた。

 もうこのときめきを否定する理由はない。それが嬉しくて、泣きそうになる。
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