クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「よく見たら結愛ちゃんの瞳の色も茶色ですね。パパ譲りかな」

 膝を折り曲げて結愛ちゃんと同じ目の高さにして、幼い顔に笑いかける。

「うん! ゆあ、パパだいすき!」

 嬉しそうに笑うほっぺたは、ぷくっと膨らんでいてめちゃくちゃ触り心地がよさそうだ。触れたい衝動をグッと抑えて、口角を上げる。

 結愛ちゃんはジッと私を見て、不思議そうに首を傾げた。

「こはるちゃん、ちっちゃいねえ。こはるちゃんはおねえちゃん? おとな?」

 好奇心に溢れた、くりっとした目をキラキラと輝かせている。

「結愛、小春ちゃんは大人のお姉さんだよ」

 遥人さんが結愛ちゃんの頭にポンッと大きな手を乗せた。

 男性の低い聞き心地のいい声で『小春ちゃん』といきなり呼ばれて、心臓が大きく跳ねる。びっくりした。

「ママといっしょ?」

「そうだよ」

「そっかあ」

 新しい知識をひとつ得て、満足げにする結愛ちゃん。

 私はたしかに一五二センチと背が低い。それでも子供に仲間だと思われたのは初めてで、クスクスと笑ってしまう。
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